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キャッシュフローの定義

キャッシュフローの定義
伊達敦が、キャッシュフロー計算書をわかりやすく解説します。
・商社勤務20年の実務家です
・出版した決算書関連のビジネス書は、海外でも翻訳されています
・ キャッシュフローの定義 主な著書「まだ若手社員といわれているうちに知っておきたい会社の数字」
講談社刊
・中小企業研修協会&中小企業コンサルティング事務所代表

キャッシュフローの定義

1 勘違いされやすい「キャッシュ・フロー」と「資金繰り」

2 「キャッシュ・フロー」の意味にだまされるな!

まずは、キャッシュ・フローです。キャッシュとは「お金」のことですよね。そこは問題ないと思います。フローは「流れ」のことです。ですから、キャッシュ・フローとは「お金の流れ」を意味します。
中小企業も「キャッシュ・フロー経営」をしていくことが大事ですが、実際にはどのようにして自社のキャッシュ・フロー(お金の流れ)を見ながら経営をしていけばいいのでしょうか?
残念ながら、決算書を見てもキャッシュ・フロー(お金の流れ)は分かりません。決算書とは、貸借対照表と損益計算書のことです。貸借対照表は「資産と借金のバランス」を見るための表です。損益計算書は「儲け」を見るための表です。ですから、貸借対照表と損益計算書を見たところで、キャッシュ・フロー(お金の流れ)は誰にも分からないのです。そこで「キャッシュ・フロー計算書」という中小企業にはあまり馴染みのないものが登場してきます。

では、「キャッシュ・フロー計算書」の本当の姿とは何なのでしょうか? それは「 お金の増減バランスを見るための表 」です。では、お金の何と何の増減バランスを見るのでしょうか? その答えは、次の3つです。

キャッシュ・フロー計算書」のひな型の画像です

キャッシュ・フロー計算書の簡単な事例の画像です

まずは、一番下にある「キャッシュの増加額」を見てください。A社もB社も会社全体のお金の増減だけを見れば11億円の増加です。A社もB社も全く同じですので、これだけ見ていてもA社とB社の違いが分かりません。そこで、それらの内訳として、お金の3つの増減バランスについても見ていきたいと思います。
まずはA社から見ていきましょう。本業でのお金の増減を見ると2億円の赤字ということが分かります。ところが、株や不動産を売ったことによって5億円のお金が増えています。さらに借入をして8億円が増えています。その結果、会社全体で見ると11億円のお金が増えたということです。
次に、B社を見てみましょう。本業で9億円の黒字です。株や不動産を売ったことによって増えたお金は1億円しかありません。そして借入でも1億円しか増えていません。その結果、会社全体で見ると11億円のお金が増えたということです。
ここでちょっと考えてみてください。もしあなたが投資家であったなら、A社とB社のどちらの会社に投資をしたいと思いますか? 普通に考えれば本業に強いB社に投資しますよね。「キャッシュ・フロー計算書」は何を隠そう、この投資判断をするためのものなのです。

ここまでお読みになれば、気付かれたことでしょう。 「キャッシュ・フロー計算書」は投資家向けの情報であり、経営者向けの情報ではない ということです。
特に勉強家の中小企業経営者にありがちなのですが、「うちもキャッシュ・フロー計算書を作ってキャッシュ・フロー経営をしないといけないと思っています」という考えです。このような方には筆者は常々こう言っています。「キャッシュ・フロー計算書は作らなくていいですよ。あれは投資家向けの情報であって経営者向けの情報ではないからです。上場会社は、法律により(投資家のために)作らないといけないことになっていますが、上場していない中小企業は作る義務はありません」と。

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3 「資金繰り」とはそもそもどういう意味なの?

ここから話がガラッと変わります。ここまでの話では「キャッシュ・フロー計算書」は、先々の経営判断の材料にはならないということでした。それでは、どのようにすれば、お金の流れをつかむことができるのでしょうか? 何を材料にして先々の経営判断をしていけばいいのでしょうか? その答えが「資金繰り」です。

中小企業経営者に「資金繰りはきちんとやっていますか?」と聞くと、「はい、やっています。金融機関には折り返しで融資できるように話はしています」という声をよく聞きます。「ということは資金繰り表をきちんと付けているのですね?」と聞くと、「え~、そういうのはあるにはあるけど……」と急に歯切れが悪くなることが多いのです。
「資金繰り」は「どうやってお金を借りるのか?」という意味ではありません。 「資金繰り」は「予測」すること です。何を予測するのかというと、お金の流れを予測します。お金の流れとは、先々の日々のお金の「入り」と「出」と「残り」のことです。そのお金の流れを予測した結果、例えば、4カ月後の仕入代金が1000万円足りなくなりそうであれば、お金を借りることを検討します。つまり、資金繰りは、まず予測ありきなのです。資金繰り=予測といってもいいでしょう。予測あっての借入ということになります。

資金繰り表の例を示した画像です

簡単に説明します。エクセルで、1カ月分を1シートとし、12シート(1年分)を作成し、見込み(予測)の数字を1年先まで入力してしまいます。実際に動いた実績の数字については、見込み(予測)の数字を上書きして修正します。そのようにしていけば、「〇月〇日にいくらお金が足りなくなるのか?」、あるいは「〇月〇日にいくらお金が余っているのか?」ということが、誰が見ても一目瞭然になります。そのため支払い直前ギリギリではなく、何カ月も前に打つ手が明確になります。対策が立てやすく、気持ちに余裕を持って資金繰りができるようになります。白色は「入り」、黄色は「仕入」、緑色は「経費」、青色は「税金」、茶色は「返済」としています。ちなみに、この資金繰り表は「どんぶり大福帳®」と名付けました。
なお、この「どんぶり大福帳®」は、 こちらからダウンロード できます。

キャッシュフロー計算書とは?目的と構成 【シリーズ:経理のはなし8 初心者向け】

キャッシュフローとは


一般的に決算書と呼ばれるものは、会社法等の法令上は「財務諸表」という名称です。
日本の会計制度では、財務諸表は主に、貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー計算書(C/F)・株主資本等変動計算書で構成されます。今回は、その中から「キャッシュフロー計算書」をご説明したいと思います。

■ キャッシュフロー計算書はなぜ必要なのか?

簡単な例を挙げてみましょう。
損益計算書上の当期利益 1億円(以下の処理以外は補正済みとする)
・当期3,000万円の固定資産を購入した
・パソコンの減価償却費は1,000万円である
この場合のキャッシュフロー額は
1億円-3,000万円+1,000万円=8,000万円(この計算の意味は後ほどご説明します)
当期利益は1億円ありますが、手持ちの資金は8,000万円です。
この2,000万円の差を説明するのがキャッシュフロー計算書です。一般的に、損益計算と現金などの収支を補正することが目的です。

■キャッシュフローとは

キャッシュフロー作成


キャッシュフローとは、現金や現金等価物の増減のことを指します。 キャッシュフローの定義
財務諸表を作成する目的は、会社の利害関係者(株主、従業員、取引先など)に会社の状態を報告することです。その中の貸借対照表は、決算日の会社の財産の状況を報告し損益計算書はその事業年度の経営成績=どれだけの利益を獲得できたか?を報告します。
ここで問題となるのは「獲得した利益=現金等の増加額」ではないということです。
例えば、損益計算書上1億円の当期利益が計上されていても、その1億円の入金予定が1年以上先であったとすれば、その会社は資金繰り次第で倒産してしまう可能性があります。一方で、草創期のIT企業の多く(アマゾンなど)がそうであったように、多額の赤字を計上していても運転資金などを投資家や金融機関から調達することで損益計算上の危機を乗り切って大企業に成長する例もあります。
このように、現実の収入や支出=収支(キャッシュフロー)と損益にはズレが生じます。つまり、損益計算書と貸借対照表だけでは”使えるお金=会社の体力”がいくら増えたのかがわからないということになります。
したがって、キャッシュフロー計算書の目的は「損益と収支のズレを補正して現金の増減がどれだけあったのか」を報告することと言えるでしょう。

■ 損益計算の原則 発生主義と現金主義

損益を計算するための原則の一つに”発生主義”が挙げられます。
発生主義とは、「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。」(企業会計原則より)というものです。
わかりやすく言えば、「取引が発生したら仕訳をしましょう」ということです。そして発生主義に対する考え方に”現金主義”があります。
「9月1日に商品を1万円で販売し、10月1日に1万円が普通預金に振り込まれた」という具体例で考えてみましょう。
・発生主義による処理

9/1 借方:売掛金 10,000円 貸方:売上高 10,000円
10/1 借方:普通預金 10,000円 キャッシュフローの定義 貸方:売掛金 10,000円

これにより、損益計算上は9月に10,000円の収益が計上されることになります。
・現金主義による処理

9/1 キャッシュフローの定義 仕訳なし
10/1 借方:普通預金 10,000円 貸方:売上高 10,000円

この結果、損益計算上は10月に10,000円の収益が計上されることになります。 キャッシュフローの定義
・期間損益という考え方
先程も述べましたが、損益計算書は「一定期間(事業年度)の経営成績」を報告するものです。この一定期間の損益のことを「期間損益」といいます。
先ほどの具体例に「決算日 9月30日」という条件をつけてみます。そうすると発生主義と現金主義では、それぞれの期間損益(前期の利益と当期の利益)に10,000円のズレが生じていることがわかると思います。
経理処理方法の違いによる期間損益のズレをなくすために「損益計算は発生主義で処理しましょう」というルールが生まれました。

■ 損益と収支がズレる代表例

キャッシュフロー計算書を作成する上では、発生主義と現金主義の違い以外にも損益と収支を補正する必要があります。代表的なパターンを挙げてみましょう。
・パターン1
現金を支出していないが費用が計上できる場合・・・減価償却費や引当金など
この場合において、購入した固定資産を費用化するために減価償却という方法による減価償却費計上します。この減価償却費や、賞与や退職金などの引当金は、現実に費用を支出を伴わないため、期間損益と収支の補正が必要となります。
・パターン2
現金を支出したが費用とならない場合・・・建物や車両などの固定資産を購入した場合など
この場合、現金や預金などは支出されますが、損益計算上は固定資産の購入は費用として処理することはできません。
※最初に挙げました例はこれらでご理解できたでしょうか?
・パターン3
現金の増減はあるが損益に関係ない場合・・・借入や資本金の変動
運転資金を金融機関などからの借入金で賄った場合など、現金は増加していますが借入金は収益ではありませんので損益計算にはあらわれません。このような場合もキャッシュフロー計算書では補正します。

■ キャッシュフロー計算書の構成

CFテンプレート

出典 中小企業庁 「キャッシュフロー計算書の様式例」 を ※一部加工http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/kaikei38/kaikei35.htm

キャッシュフロー計算書は企業のどのような活動によってキャッシュフローの増減がもたらされたかをあらわします。その活動は次の3つに区分されています。
・営業活動によるキャッシュフロー
営業損益に関する取引のキャッシュフローをあらわします。(パターン1)
・投資活動によるキャッシュフロー
営業活動以外での資産に関するキャッシュフローをあらわします。(パターン2)
・財務活動によるキャッシュフロー
営業活動以外での負債と純資産の部に関するキャッシュフローをあらわします。(パターン3)
キャッシュフロー計算書の大まかな説明は以上です。もっと詳しい内容についてはまたの機会にご説明したいと思います。また、キャッシュフローに関する書籍も多数発売されていますので、もう少し勉強してみたいという方はぜひご覧になってください。

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