取引システム

オプションの魅力

オプションの魅力
先物取引は、信用取引と同じように 「売り」からも取引を始めることができます。 相場が先行き下落すると予想される場合は、まず売りを入れ、予想通り相場が下落したところで買戻せば、相場の下落局面でも利益を得ることができるのです。また、 信用取引で必要になるコスト(金利・貸株料・逆日歩など)はかかりません。
オプション取引は、コール・プット、買い・売りを組み合わせる他、保有資産の値下がりに対するリスクヘッジとして利用することもできます。また、 株価が変動局面だけでなく、変動幅が小さく横ばいの相場が続くと予想したときにも利益を上げることができる のも魅力の一つです。

「ストックオプション」が成長のカギ? 東証再編後の日本企業に海外投資家が求めること

東京証券取引所では、4月4日からプライム、スタンダード、グロースの新市場がスタートする。 それぞれの市場に上場維持基準が設定され、東証一部、二部、ジャスダック、マザーズ企業はその基準に従い、移行する市場を選択した。 しかし、1月11日に移行結果が発表されると、聞こえてきたのは「名前が変わっただけじゃないか」といったネガティブな声だ。 そもそも、東証再編の真の目的は、厳選された企業による市場を作ることで「海外投資家から魅力的に映る市場」を作ることだった。 現在の東証の上場廃止基準は甘く、また日本企業は収益力やコーポレートガバナンス意識の低さが以前から指摘されてきた。 再編には、こうした課題の払拭が期待され、とりわけ最上位市場にあたるプライムには、株主数800人以上、流通株式時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上など厳しい基準が設定された。 オプションの魅力 だが、蓋を開けてみれば東証一部の2185社のうち、84%にあたる1841社がプライムに移行。うち296社は、上記の基準を満たしていないが、今後数年間での成長戦略や事業改善をまとめ東証に提出することで残留が認められた。つまり、意志さえあれば上場を維持できるという結果になっているのだ。 市場が変わらないのであれば、海外投資家を振り向かせるためには個々の会社単位での改善が求められる。特にプライム市場に移行した企業の経営陣にはどのような改善が必要なのか。 オプションの魅力 4月からの新市場スタートを前に、海外顧客を多数抱え、日本株運用に携わる以下の3者に話を聞いた。 ・米国資産運用会社「ヌビーン」 ポートフォリオ・マネージャー兼株式アナリスト、ピーター・ボードマン ・英国資産運用会社「シュローダー」 日本株式運用副責任者、荒井卓 ・「JPモルガン・アセット・マネジメント」 取締役 株式運用本部長 水澤 祥一 ■ストックオプション導入の意義 ── ヌビーン ポートフォリオ・マネージャー兼株式アナリスト ピーター・ボードマン 今回の再編が外国人投資家を惹きつけることには繋がらないと考えます。再編のコンセプトが打ち出された時点では関心がありました。 しかし、日本経団連など利害関係者の意見が反映された結果、加盟企業が不利益を被らないような制度に変わってしまったという印象です。 例えば経過措置の期間設定も明確でないですし、中身を具体化していくなかで「外国人投資家に魅力的な市場を作る」という本来の目的が希薄化してしまった。真新しさはないように思います。 魅力的な市場を目指すのであれば、今後、例えば時価総額が大きく、ガバナンスが整っていて投資リターンが出せる企業に絞った『エリート市場』を作ってみるのも良いでしょう。 あくまでも目安ですが、100~200社程度に限り、1兆円を超えるような時価総額を基準にすれば、外国人投資家も参入しやすくなるでしょう。 日本企業の問題点としては、事業リターンが得られるような資本投資ができていないことだと考えています。

これを知らなきゃはじまらない 先物・オプション取引9つの基礎知識

先物取引とは?

先物取引とは、 あらかじめ決められた日(期日)に、日経平均株価などの指数を決められた価格で売買する取引 です。例えば、日経225先物は、日経平均株価という株価指数を売買することで収益を狙う商品で、株価が上がると予想した場合は買い、反対に安くなると思ったら売ることにより利益を狙います。

オプション取引とは?

オプションとは「権利」のことです。オプション取引は、 将来の決められた日にち(満期日)にあらかじめ決められた価格で買う(売る)「権利」を売買する取引 です。買う権利のことを 「コールオプション」 、売る権利のことを 「プットオプション」 といいます。 先物取引が売買の契約なのに対し、オプション取引は権利の取引 になります。オプション取引ではコールの買いと売り、プットの買いと売りの4種類を組み合わせることで、お客さまの投資スタイルに合ったさまざまなポジションを取ることができます。 オプションの魅力

先物・オプション取引の魅力~レバレッジ効果

先物・オプション取引は、少ない資金でテコの原理のように投資資金に対して大きな利益を狙えます。これを レバレッジ効果 といいます。例えば、日経225先物を取引する際の1枚あたりの証拠金が150万円、日経平均株価が25,000円の場合、レバレッジは約17倍(25,000×1,000÷1,500,000)となります。レバレッジが約3倍の信用取引に比べて、先物・オプション取引は一段と資金効率の高い投資手段といえます。また、 auカブコム証券の場合は証拠金として、現金のほか株式・投資信託も使用することができ、保有資産の有効活用にもつながります。

先物・オプション取引の魅力~個別銘柄選びが不要

先物・オプション取引の 代表的な指数として、日経平均株価が挙げられます。 日本の代表的な株価指数で、テレビのニュースなどでよく見聞きすることがあるかと思います。 代表的な指数は情報収集が容易で、銘柄選びに悩むことはありません。 株式や信用取引とは異なり個別企業の倒産リスクも回避できます。

先物・オプション取引の魅力~利益を狙うチャンスが大きい

先物取引は、信用取引と同じように 「売り」からも取引を始めることができます。 相場が先行き下落すると予想される場合は、まず売りを入れ、予想通り相場が下落したところで買戻せば、相場の下落局面でも利益を得ることができるのです。また、 信用取引で必要になるコスト(金利・貸株料・逆日歩など)はかかりません。
オプション取引は、コール・プット、買い・売りを組み合わせる他、保有資産の値下がりに対するリスクヘッジとして利用することもできます。また、 株価が変動局面だけでなく、変動幅が小さく横ばいの相場が続くと予想したときにも利益を上げることができる のも魅力の一つです。 オプションの魅力

先物・オプション取引にはどんなコスト・税金がかかるの?

取引手数料のほか、先物・オプション取引で発生した売買益は、雑所得として 申告分離課税20.315%が適用 されます。その年の1月1日から12月31日までの1年間に発生した売買差益を計算し、翌年の2月中旬から3月中旬の 期間内に確定申告すること が求められています。また、FXやCFDなどの店頭デリバティブ取引と損益通算ができ、その年に控除しきれない損失については、毎年確定申告することで、 翌年以降3年間にわたり繰越控除が可能 です。

先物・オプション取引のはじめ方

先物・オプション取引をはじめるには、 証券会社で先物・オプション取引口座を開設する必要があります。 先物・オプション取引口座を開設するには、取扱証券会社の証券口座が必要です。証券口座開設後、先物・オプション取引口座を開設します。証券口座開設後は、ログイン後ページで、同意書の確認・WEB審査・当社での最終審査とわずか3ステップで先物・オプション口座を開設できます。 auカブコム証券なら、口座開設料・口座管理料は無料です。

先物・オプション取引にはいくらお金が必要?

取引するためには 証拠金が必要 となります。取引に必要な最低資金(必要証拠金)は、一週間ごとに変動します。例えば、2022年3月15日現在「日経225mini」の必要証拠金は150,000円、「日経225先物」の必要証拠金は150万円です。なお、取引で生じた損益は、証拠金に反映され、 損失が生じると証拠金が減ることになるので、余裕を持ったお取引をお勧めします。

先物・オプション取引の気をつけることは?

先物・オプション取引には 株式投資に無い特有のリスク があり、対象となる指数が予想と反して変動した場合、損失が発生します。相場の急激な変動などにより投資元本より大きな金額の損失を被ることがあります。証拠金に不足が発生した場合には、証券会社の定める時限までに追加の証拠金(追証)を差し入れなければ、取引を継続できなくなり、強制的に決済されることがあります。まずはHPなどで商品の特性をしっかりと理解し、 リスクを抑えて取引することが必要 です。

オプション取引の入門編に最適!日経225「Weeklyオプション」の魅力とは?


シンプレクス・インスティテュート
アシスタント・ディレクター
安藤希氏

<表1 オプション取引の収益の源泉>

※オプション価格は時間の経過とともに下落する傾向にある

図1 8月第1 週限の板画面


<図1 8月第1 週限の板画面>

図2 9月限の板画面


<図2 9月限の板画面>

5月最終週にスタートした場合の例

表2 オプション取引の種類と損益の関係

<表2 オプション取引の種類と損益の関係>

<取引1>
ポジション構成:2015年6月23日 mini = 20,オプションの魅力 705円
7月1週限 Put 行使価格20,500円 新規売1枚@130円
7月限 Put 行使価格20, 500円 新規買1枚@190円
(開始時必要証拠金 = 合計約6万円)
ポジション解消:2015年6月29日 mini = 20,230円
7月1週限 Put 行使価格20,500円 買戻し1枚@360円
7月限 Put 行使価格20, 500円 転売1枚@480円
損益合計 +60,000円

取引1

<取引2>
ポジション構成:2015年7月3日 mini = 20,565円
7月限 Put 行使価格20,500円 新規売1枚@220円
7月3週限 Put 行使価格20,375円 新規買1枚@280円
(開始時必要証拠金 = 合計約6万円)
ポジション変更:
7月3週限 Put 行使価格20,375円 転売1枚@505円(2015年7月6日)
7月miniの売りでデルタ・ヘッジ開始(平均コスト20,034.5円で10枚)
ポジション解消:2015年7月9日 mini = 19,390円
7月限 Put 行使価格20,500円 買戻し1枚@1,100円
7月miniの買戻し10枚@19,390円
損益合計 ▲10,500円

取引2

毎週この戦略を実践し、利益が出たり損失が出たりはしましたが、通常の株式投資や先物取引とは違い、相場の方向とはまた違った収益の チャンスがあるというオプション取引ならではの面白さに気付きました。先物取引と同様に日経平均株価指数を対象とした取引なので、個別銘柄のように銘柄研究や銘柄選びに時間を取られることなく、手軽に投資できるのがよいと思います。
ただ、まだオプション取引を始めて1ヶ月半の初心者です。カレンダー・スプレッド以外の戦略や先物取引を組み合わせた取引など、戦略のバリエーションを習得していき、オプション取引の腕を磨いていきたいと思います。


<図3 OSE先物・オプション シミュレーター画面例>

【経営者必読】ストックオプション制度とは?仕組み・種類・メリット/デメリットを完全体系化!新株予約権との違いも解説!

・募集新株予約権の「内容」「数」
・引換えに「金銭の払込みを要しない」とする場合には、「その旨」
・「金銭の払込みを要する」場合には、募集新株予約権の「払込金額」又は「算定方法」
・「割当日」
・募集新株予約権と引換えにする「金銭の払込みの期日」を定めるときは、その「期日」
・募集新株予約権が「新株予約権付社債に付されたもの」である場合には、会社法676条の各号に掲げる事項(総額、金額、利率、期限等)
・上記の場合において、新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての会社法118条1項、会社法777条1項、会社法787条1項、会社法808条1項の規定による買取請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め

以下の表の通り、 募集事項の決定は株主総会もしくは取締役会にて決議 をとります。

④募集事項の通知/公告(公開会社のみ)

③募集事項の決定を取締役会決議で行った場合、 割当日の2週間前までに、株主に対し募集事項を通知、もしくは公告 をしなくてはいけません(会社法240条)。

⑤割当契約の締結/申込・割当

次に、 会社と引受者の間で、今回発行する新株予約権を引き受ける割当契約を締結します 。割当契約書には、引受者が会社の発行する新株予約権を引き受ける旨や割当する新株予約権の数やその内容、1株の払込金額などが盛り込まれます。

⑥発行・新株予約権原簿の作成

会社は、 ストックオプションを発行した日以後遅滞なく、新株予約権原簿を作成 し、会社法249条に定める事項を記載し、または記録しなければいけません。

また、 上場企業の場合は、ストックオプション発行に関する適時開示 を行います。

ストックオプションの税制上・会計上の取り扱い

税務上、原則としては給与所得

原則としては給与所得と定められていますが、SOの種類によって 課税の有無やタイミング、対象、また確定申告の要不要 などが下の表のように異なっています。

税金や確定申告、また実際に手取りがどれくらいになるのか のシミュレーションを知りたいという方は、以下の記事もご覧ください。
⇒「【ストックオプションに係る税金】確定申告や計算方法・税金対策について徹底解説!」をご覧ください。

創業者が語る、誰も教えてくれない「ストックオプション」…SmartHR 、LayerX、カウシェ編【1万字対談】

宮田昇始(SmartHR)、門奈剣平(カウシェ)、福島良典(LayerX)

加えて、(宮田さんの)SmartHRさんのようにレイター(上場前の安定成長期)までステージを進めて大成功するのは、日本のスタートアップではまだ珍しい例です。5〜7年くらいでマザーズに上場するケースの方が多いので、(経営者としては)正直、そのくらいの期間は在籍して貢献して欲しいという気持ちもあります。今のアメリカのように上場までの期間が10年を超えるケースが普通で、さらにそれが伸び続けているような状態に日本もなってくると、SOもそれに合った形に自然となっていくのかなと。

宮田:さっきの、「半分は退職しても権利行使できる」ように変更した話ですが、全部じゃなくて半分にしたのは福島さんと近い考えです。従業員側にも多少はデメリットがないと、釣り合わないと当時は思っていました。

そもそもなぜ最初から退職しても失効しない仕組みにしなかったかというと、「初めての起業で知識がなかった」のと、「なるべく従業員には長く在籍して欲しいと考えていた」からなんですね。

でも実際にやってみると、まぁ長いんです。「SmartHR」の提供を始めて6年になるんですが、スタートアップの6年は本当に長い。これがもし10年となった時に、最後までやる人ってどのくらいいるんだろうと。何年間も働いてくれたのに途中で辞めてSOを失効するのは経営者としても申し訳ないですし、辞めた従業員も最後まで残って金銭的に成功した人を見たら面白くないんじゃないか。それって変だな、なんか違うよねと思うようになりました。

広がり始めた「信託型SO」、その理由は

SO1

税制適格SOは取得時や権利行使時に税金の支払い義務はなく、株式を売却した時まで課税が繰り延べされる。権利行使価格が年間1200万円を超えてはならず、付与決議日から2年経過後かつ10年以内に行使しないといけないなど決まりは多いが、従業員への負担も少なく、日本のスタートアップではポピュラーなものだろう。

一方で近年、導入企業が増えているのが信託型SO、正式には「時価発行新株予約権信託」だ。このスキームでは企業価値が上がる前の低い価格で発行したSOを信託で一時的にプールしておくことができるため、企業は「誰に」「どのくらい」付与するかを後で決めればよく、従業員も入社時期にかかわらず同価値のSOを得ることが可能だ。

—— LayerXのSOは、どのような設計になっていますか?

福島:無償のもの(税制適格)と信託型のものどちらも利用しています。これには前向きな理由も、後ろ向きな理由もあります。税制適格SOは権利行使価格が年間1200万円を超えてはいけないので、価値が上昇したレイターステージなどに入社した人は、もらってもほとんど行使できない可能性もある。一方の信託型はそういうこともなく、従業員にとってはすごく有利な仕組みです。(広義で)僕らの採用競合となるような会社さんはほぼ導入しているので、「(信託型を)取り入れない」選択肢はなかったです。

福島良典(LayerX)

宮田:信託型SOが出てきた時はものすごく話題になりましたよね。税制適格SOは付与された人が実際どれだけ活躍するか分からないですし、たとえ最初の半年や1年すごく活躍されてても、その後も続くか分からない。なのでエイっと配りにくい、ないしは配った後に不整合が起きやすいインセンティブでした。

その点、信託型は評価制度と連動して付与することが可能なので、活躍した人に活躍した分だけ、実績に基づいて適切に渡すことができる。しかも行使価格が発行したタイミングでロックされるので、後から配ると旨味が減っちゃうみたいなこともないのは、大きなメリットですよね。

福島:ただ正直、本当に安定性があるのかというところは疑問に思っています。実は税制適格じゃなくなりましたとか、税務的に不安定だから従業員が行使できないとなったらどうしよう、と。信託型SOを使って上場している企業もあるのでそんな可能性は少ないと思いますが、100%信託型に振らずに無償の税制適格SOとのハイブリッドにしているのは、そうした懸念からです。

SOの配り方には「組織のポリシー」が表れる

門奈剣平(カウシェ)

SOをいつ、誰に、どの程度付与するかは重要な資本政策だ。ただし、SOの発行は事業会社が無制限に発行できるわけではない。2001年の商法改正以前は、付与できるSOは発行済み株式総数の10%以下に定められており、現在は制限が廃止されたものの、慣例として10%前後が望ましいとされている。

『IPOを目指す会社のための資本政策+経営計画のポイント50』(佐々木義孝)によると、2017〜18年9月までに新規上場した企業のSO発行比率は平均値で7.5%、中央値で10.4%だった。ちなみにVC比率は同25%14.3%だ。

福島:SOを発行する意義はリスクを取ってくれた人たちと成功を分かち合うことだと考えているので、LayerXでは今のところは入社する正社員全員に配っています。もっと人数が増えた時にこのポリシーを変える必要が出てくるかもしれませんが、少なくとも今のフェーズでリスクを取ってくれた人には報いたいと思っていて。

門奈:本当にそうですね。カウシェは今アーリーステージなんですが、どんなにビジョンやカルチャーに共感して入社していただいたとしても、キャリアも給与もリスクを取ってきてくださる方がほとんど。やっぱりその気持ちにしっかり報いたいという思いがあります。

福島良典(LayerX)、門奈剣平(カウシェ)

福島:僕の周りの経営者は、社員にSOを配りたくないとか、騙そうとか思ってる人は1人もいません。でも先を見渡せないことによる難しさから、結果的に完璧な配分にはならない……。

SOの配り方には組織のポリシーがよく現れていると思うんですが、早くリスクを取ってくれた人に多く報いる傾向があるというのは、受け取る側の皆さんは知っておいた方が良い情報な気がします。SOで一攫千金を狙うならリスクを取ろう、という考え方が大事かなと。

大切なのはテクニックよりも時価総額

職場

—— 経営者同士でSOの設計について情報交換することはあるんですか?

門奈:僕はアメリカのSOの事例を参考に設計しました。シリコンバレーのスタートアップのSOは退職しても失効せずに、一定期間、だいたい3カ月間は行使できるようになっているところが多いんですよね。スタートアップを転々としながらSOのポートフォリオを持っているような人もいるという話も聞きました。

福島:配分などはメガベンチャー、たとえばメルカリが上場した時に、どういう資本政策をやっているのかなどは参考にしました。このくらいのタイミングで、これくらいのリスクを取った人にはこういう配分なんだと。基本的には想像通りでした。

いろんな会社さんのSOの使い方を見て分かったことは、「SOは一般的に10%くらいの発行が相場になっていること」それくらいしかない。なので、行使価格を下げるとかのハック的なことよりも、(最適解がないがゆえに)会社をめちゃくちゃデカくする方が大事だと思ったんですよね。(時価総額)100億円で上場して1株持ってますみたいな状態は、従業員が取ってくれたリスクに見合わない。だったら1兆円目指す方法を考えよう、その方がみんなハッピーだし、そうじゃなかったらダメだという方向に、僕は頭を切り替えました。

門奈:従業員からしたら(SOの)0.1%が100億の会社と1兆円の会社では意味が全く違ってきます。

宮田昇始(SmartHR)、門奈剣平(カウシェ)

宮田:経営者ではないんですけど、SmartHRに初期から投資してくれているCoral Capital創業パートナー兼CEOのジェームス(James オプションの魅力 Riney氏)に相談したことがあります。SOそのものというよりCOO候補の方へのオファーだったんですが、ジェームスに「その条件だったら僕は受けない」と言われて。その時のSOは辞めたら失効するものだったんです。

未上場で巨大化するスタートアップに10%は適切か?

東証の鐘

福島:多分これから僕らが考えないといけないのは、IPOまでの期間が長くなるんですよね。そうなった時に今まで通りのやり方でいいよねと思考停止するのは間違ってると僕も思ってます。

宮田:これから未上場で巨大化するスタートアップが増えていくと、今の日本の(発行済み株式総数における)SO比率のスタンダードである10%は、従業員に配るには少な過ぎるんじゃないかなと。これでは大成功した時に、創業者とVCだけが儲かり過ぎる。

なので元々は10%だったんですが、途中で株主達と協議して少し増やして、マックス(最大限)に発行しました。それでもダイリューション(1株あたりの価値が低下)していくので、(最初から)マックス20%くらいまで交渉して枠を確保しておくべきだったと、今となっては思っています。

門奈:僕らも元々10%だったんですが、日本市場はもちろん、いずれは世界でも頑張りたいので、グローバルスタンダードから見てもっとここは上げていくべきだということを投資家の皆さんにお話させていただいて、その後15%まで増やしました。

会社の成長とSO枠が連動する契約を

宮田昇始(SmartHR)

宮田:今思うのは、初期から20%くらい発行できるようにしておいて、ダイリューションしたり、一定のマイルストーンを踏まなかったら一部失効するような契約のSOを作っておけばよかったなと。会社が大きくならなかったら10%くらいで収まって、大きくなったら20%まで使えるような設計の方が、いろんな意味でフェアなんじゃないかと思うんです。

福島:それは良いですね。想定時価総額でバーをおいて、クリアしたらこれくらいSO枠が増えるよと最初に交渉しておくのは、確かにめちゃくちゃフェアですよね。

だって事業計画って変わるじゃないですか。もともと社員300人くらいで上場だと思っていたのが1000人になることって、本当に起こり得るので。

宮田:うちの会社がまさにそうなんです。「社員50人、バリュエーション100億円で上場することを目指すぞ!」と言っていたのに、今すでに社員500人を超えてるので……。

例え話ですけど、今のタイミングで僕が福島さんを引き抜こうとしたら(笑)、普通の給与だったら無理じゃないですか。ここでガツンとSOを何%か渡せたら良いなと思うんですけど、やっぱり後になればなるほど、株主と交渉することが難しくなります。でも、さっき話したような設計だと、後半で「事業をさらに大きくするためにこの人は絶対にとりたいからSOを追加してでもボーナス的に払うべきだ」という時にも使えるので。

投資家との交渉には課題も

福島良典(LayerX)

宮田:(そういう段階的な設計は)信託SOでももしかしたら実現可能かもしれないと、うちのCFOの玉木さんが言ってました。たとえば信託SOとして20%発行しておいて、10%はいつでも使えるけど、この5%とこの5%は一定の成長を達成しないと使えないという失効条件をつける設計なら、VCの人も損しないでしょ、と。

—— 初期の頃にそういう契約を結べるといいんでしょうか。

宮田:それは難しいかもですね。リテラシーの問題だったり、そこに時間を使うくらいだったら事業を頑張れよって気持ちもあるので。

福島:僕はグノシーの時は学生起業だったんですけど、学生の状態でVCにその交渉ができるかというと流石に自信はないですね。それが社会のスタンダードになっていたら言えるんですけど……。

門奈:この記事を投資家の人に「ほら」って見せたらイケるかもしれません(笑)。

日本の金融教育の課題、「SOは怖い」で内定辞退も……

宮田昇始(SmartHR)、門奈剣平(カウシェ)、福島良典(LayerX)

—— SOは従業員のモチベーション向上に貢献する一方で、制度は複雑です。従業員の皆さんに制度設計を説明する上で心がけている(いた)ことはありますか。

門奈:まず全力で説明しようと思ってます。SOってなんとなく怖いし聞きにくい、同僚とも喋っていいのかな?という空気があると感じていて、それをガラッと変えにいきたいんです。

新しいSO制度についてリリースを出したのもそうですし、社員にも、「SOはみなさんが今後スタートアップで活躍していく上でめちゃくちゃ重要なリテラシーです。SOを持っている=一株主ということでもあるので、なんでも聞いて欲しい、むしろぜひ話させて欲しい」と言ってます。

SOが紙クズかもしれないという概念も変えていきたいですね。

福島:それはそうですね。(経営者としては)結構な思いを持って発行してるのに……。

宮田:ある上場企業の経営者の方から聞いたんですけど、すごい金額のSOを持ってらっしゃった社員の方から転職を申し出られたそうで、驚いて「いやいや何で?」と聞くと、「(問題は)給与です」と。「嘘でしょ?」となって、あなたのSOはこんなに価値があるものなんですよ、と説明したら転職止めますとなったそうで。

(別のケースでは)これは又聞きなんですけど、新卒の方などにSOを付与しようとすると、「株は怖いものだと幼い頃からずっと教わってきたらしく、騙されているかもしれないということで退職したり、内定を辞退した」という嘘みたいな話を、本当によく聞くんですよね。

門奈:「親から断れと言われました」という方もいらっしゃいますよね。

宮田:なので、いろんな方法で説明する努力をしていく必要があると思ってます。

シミュレーションで具体的かつフェアな説明を

街

宮田:うちの会社でやっていたことの1つが、シミュレーターです。信託SOについては評価制度と連動していたので、当時の人員計画をベースに、このくらいの等級(評価)で、時価総額がこのくらいだと、キャピタルゲインはこのくらいになりそうだというのを計算できるようにしていました。

採用のオファーを出す時によく利用していたんですが、これ刺さってる方にはめちゃくちゃ刺さってて、毎週それを見ながらお酒を飲んでる人もいたくらい(笑)。一方で、「入社後見たことないっすね」みたいな人もいたので、促してその場で見てもらったら「えっ、こんなんなってんの?」と驚かれることもあって。やっぱりもうちょっと使わなきゃいけなかったなと思ってます。

福島:イメージわかないですもんね。「何株です」と言われても、「それってつまりどういう意味ですか」?みたいな。そこを理解する手助けをしてくれるようなシートは、実はLayerXでも作ってます。

ただこれも「入社してくれたら何億になりますよ」とか、こっちが言いすぎるのはNGだと思うんです。そうじゃなくて、こういう時価総額にしていきたいけど、その場合はこれくらいのキャピタルゲインのイメージになりますよとフェアに伝えることがすごく大事

門奈:僕は先輩方のシミュレーションシートをただひたすら参考にさせていただいてます(笑)。

現金 vs. ストックオプション、あなたならどうする?

宮田昇始(SmartHR)、門奈剣平(カウシェ)、福島良典(LayerX)

門奈:あとは従業員のリテラシーを上げてもらうために、オファーを出す時に2案作るようにしています。SOが多くて給与がリスクを取っているものと、給与はリスクを取らない代わりにSOは軽くなるものを提示して天秤にかけてもらってるんです。もちろん提示する際にこちらからSOの説明はさせていただきますが、同時に選ぶ過程で本人にも勉強して欲しいなと思っていて。

福島:それはすごくいいやり方だと思います。自分の報酬を給与じゃなく株式でもらった方がいいんじゃない?という啓蒙ですよね。アメリカはそもそも給与を現金で全額もらうという考えの方が珍しくて、むしろ株式報酬の割合が高い。SOも含めて給与なんですよ。でも日本は投資の経験が少ない人が多いので、そうした意識があまりないんですよね。

宮田:実はうちの会社も1度カウシェさんと同じことを考えたんですけど、(SmartHRの場合は)やりませんでした。理由は「SOが強すぎるから」。やっぱり現金化された時のインパクトが全然違うので。

—— SmartHRは2020年9月入社以降の従業員に対して、SOを付与するのではなく、半年に1度の成果給を支給する方式に変更されていますね。

宮田:はい、今はSOから現金に変わったという感じです。以前は「給与一律、月35万円」みたいな時代もありました。そうすると皆さん、だいたい前の会社より給与を下げて入社して下さってたんですね。今もそういう方もいらっしゃるにはいらっしゃるんですが、そういうことが以前より起こりづらくなってきています。それにリスクとリターンはセットだと思っているんですが、リスクを取っていただかなくとも報酬を支払える規模になってきたことが背景の1つです。

福島:さっきも話しましたが、SOも「sameリスクsameリターン」。フェーズによって配り方にも当然メリハリがつきますし、より少ないリスクでより多くのリターンを、というのは僕はフェアじゃないと思います。

門奈:それは本当にそうですね。SOは三者三様。皆さんが選べる状態になるよう、こうして情報を発信していくことに価値があると信じています。

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