▲マザーズ(グロース市場)の上場審査基準(2021/8/20開催セミナー資料より抜粋)
資本政策とは?上場(IPO)における目的と立案の流れ
▲資本政策立案のイメージ(2021/8/20開催セミナー資料より抜粋)
① 前提条件の立案
資本政策は事業計画とセットで作ります。まずは大雑把でもいいので、上場までの事業計画(利益計画)を立てましょう。 具体的には、上場までの会社の成長イメージ、必要な事業資金、上場時の時価総額・公開価格のイメージを作ります。 それに合わせて、いつ上場するのか、どの市場で上場するのか検討します。
②内部の資本政策の立案
上場後のオーナー家の持株比率をどの程度維持するのか検討します。株主総会では株主が所有する株式数に応じて議決権が与えられますので、 事前にオーナー家の持株比率の計画を立てておくことが上場後の経営権の安定に繋がります。 また、親族への贈与や資産管理会社等による相続対策もこのタイミングで検討します。資産管理会社については関連コラムで解説していますのでご覧ください。
③外部の資本政策の立案
役員・社員など、オーナー家以外の関係者に関わる資本政策を検討します。具体的な方法は後述します。 その後、上場に向けて必要となる発行済株式数を設定し、株式の公募・売出を実施します。
3.資本政策の具体的な方法
・ストックオプション
社員に対して、あらかじめ定められた「価格」、「数」、「期間内」に株式を購入できる権利を付与する方法です。ストックオプションをもらった社員は、会社が上場した後にストックオプションを権利行使して株式を取得し、その株式を市場等で売却することによって利益を得られます。
・従業員持株会
従業員が容易に自社株式を取得できるようにする方法です。持株会に加入している従業員の給与・賞与から自社株の取得用に少額を天引きし、その資金をもとに持株会が自社株を購入する仕組みとなっています。
・第三者割当増資
特定の第三者に対して、新株を引き受ける権利を付与し増資する方法です。一般的には、自社の役員・金融機関・取引先など、自社と関わりのある人・企業に付与します。
4.失敗する資本政策の特徴
(例)
・「とりあえず時価総額1億円の20%で2,000万円調達します!」
・「優秀な人材を採用するために、とりあえずストックオプションを5%発行します!」
5.資本政策は上場をイメージするところから始まる
失敗しない資本政策を立案するには、まず上場時の資金調達額やキャピタルゲイン、株主構成のイメージを持ったうえで、 そのイメージに向かって「逆算型」で資本政策を立案することが重要です。
「今の持株比率20%が上場するといくらになるのか?」「今5%ストックオプションを発行すると上場までに他の社員には何%のストックオプションを発行できるのか?」など、 上場時の株主構成や時価総額をイメージしながら事前に検討すべきことはたくさんあります。
資本政策の立案はこの上場イメージを持つことからはじまります。
この公開価格に上場時に新たに発行する株式数(公募株数)を掛ければ「資金調達額」が、 上場時にオーナーなどの株主が売却する株式数(売出株数)を掛ければ「キャピタルゲイン」の想定金額が計算されます (実際には、別途、手数料や税金が控除されます)。またこれらを実行した後の株主構成からオーナー(経営陣)の持株比率のイメージも浮かび上がってきます。
6.資本政策で押さえておくべきルール
・会社の経営権
会社法上、持株比率(これを会社法では「議決権割合」と言います)によって、株主総会で決定権を持てる議案の範囲が決まります。 下記の表を参考にどの程度の持株比率を確保するのかをイメージしましょう。 現時点でオーナーの持株比率がある程度高い場合には、上場時にオーナーが過半数の持株比率を確保するような資本政策を組むケースが多くなるでしょう。
▲株主総会の決議の種類(2021/8/20開催セミナー資料より抜粋)
・上場審査基準
上場するにあたっては資本政策に関して下記に掲げる上場審査基準をすべて満たす必要があります。 ただし、上場イメージの段階では「流通株式比率25%以上」だけ意識していれば十分です。 この基準は、簡単に言うと、役員(家族や役員の個人会社を含みます)と10%以上の大株主以外の株主が保有する株式数が 発行済株式総数の25%以上となるように公募・売出株数を決める必要があるということです。
▲マザーズ(グロース市場)の上場審査基準(2021/8/20開催セミナー資料より抜粋)
今回のポイントは、
①資本政策は「資金調達」「持株比率」「キャピタルゲイン」のバランスが重要!
②資本政策はとりあえずの「積上げ型」ではなく「逆算型」で!
③資本政策はまずは上場イメージを持つことからスタート!
でした。
03-5219-6552
資金を増やすために必要な株情報は何 2021年1月4日 2021年12月23日 資産運用
投資はいくらから始められる?少額投資ができる種類とメリット・デメリット
投資はいくらから始められるのか?種類別に解説
株式投資の場合
投資信託の場合
つみたてNISAの場合
iDeCoの場合
少ない予算で投資を始めるメリット・デメリット
【メリット1】初心者でも始めやすいのが魅力
【メリット2】税制上の優遇が受けられることも
【デメリット1】利益を得るには時間がかかる
【デメリット2】手数料が割高になる
多額の予算で投資を始めるメリット・デメリット
【メリット1】リターンが大きい
【メリット2】分散投資ができる
【デメリット1】損害が大きい
【デメリット2】分散投資の管理に手間がかかる
【投資を始めたいと思ったら】押さえておきたいポイント
余剰資金を運用する
- すぐに使うお金(食費や家賃といった生活費)
- 近い将来使うお金(教育費や住宅購入費)
- 現時点では使う予定のないお金
3つの「分散」を意識する
- 資産の分散……株式投資・不動産投資・保険といった複数種類に投資
- 地域の分散……国内株式・外国株式・新興国株式といった複数の地域に投資
- 時間の分散……複数回に分けて資金を投入する
長期的な視点を持つ
投資はいくらから確定申告が必要?
【基礎知識】投資と確定申告
【給与所得者】収益が20万円を超えた場合などに
【投資が本業の方・主婦・学生】基礎控除額を超えたときに
ネイチャーグループでは資産運用や税務をサポート!
芦田ジェームズ 敏之
【代表プロフィール】
資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。 培った知識、経験、技量を活かし、富裕層のみならず幅広いお客様に税金対策・資産運用をご提案している。 現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
英国国立オックスフォード大学ELP修了。東京大学EMP修了予定。
また、Mastercard®最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDのオフィシャルアンバサダーに就任。
◇◆ネイチャーグループの強み◇◆
・〈富裕層〉×〈富裕層をめざす方〉向けの税金対策/資産運用専門ファーム
・日本最大規模の富裕層向けコンサルティング
・国際的な専門家ネットワークTIAG®を活用し国際案件も対応可能
・税理士法人ならではの中立な立場での資産運用
ランキング
資産運用
相続対策
お問い合わせ CONTACT
03-5219-6552
今さら聞けない「株初心者のための超入門編」をFPが解説
資金を増やすために必要な株情報は何【画像出典元】「iStock.com/SARINYAPINNGAM」
まずは取引口座の準備から~証券口座を作ろう
証券会社の選び方の3つのポイントとは?
【ポイント1:手数料の金額】
株を買うとき、売るときそれぞれに売買手数料が必要です。売買手数料は証券会社によって異なりますが、一般的にはネット専業の証券会社は、低めに設定されていることが多いようです。各証券会社のホームページに売買手数料は掲載されています。ぜひ、ご自身で確認されることをおすすめします。
【ポイント2:売買に必要な情報がわかりやすいか】
株式の銘柄情報や株価の推移を表したチャート、株式の売買に使う注文画面などがセットになった取引画面を各証券会社は準備しています。パソコンで見るもの、スマホのアプリで取引できるものなど、取引ツールも多様化しています。使い勝手や安定性が高いものがおすすめです。
【ポイント3:提供される情報・サービスの量や質】
証券会社は、今までの業績の推移や各種のレポートなど、株式投資に必要な情報をさまざまな形で提供してくれています。これらの情報が多い証券会社の方が良いでしょう。
【画像出典元】「iStock.com/Miyuki Satake」
株初心者に必要な資金はいくら?1万円の少額から投資できる?
株初心者におすすめの少額で購入できる株式投資・銘柄は?
インターネットで「株 少額 一覧」等で検索すると、上場している株式の銘柄のうち、少額で購入できる銘柄がたくさんでてきます。1単元あたり1万円程度で購入できる銘柄は、株初心者の皆さんの想像よりも多く、中には名前を知っている会社もあると思います。
株の銘柄の選び方のコツや買い方は?
株初心者や主婦に、少額・1万円から始めるおすすめの「ミニ株」とは?
株初心者が考えるべき株式投資のリスクとは?
【画像出典元】「iStock.com/SARINYAPINNGAM」
【リスク1:値下がり】
値下がりリスクは、株価(株の価値)が下がるリスクのことです。株は、そのときの時価で取引されますから、上がることもあれば下がることもあります。
【リスク2: 流動性】
売ることができなければ、株券は現金化できません。取引が活発でない銘柄では、売りたくても売れないということも考えられますので注意が必要です。取引が少ないと安値で売るしかない場合もあります。また、実際に現金になるまでには売却した日を含め4営業日が必要です。
【 リスク3:倒産】
会社が倒産してしまうリスクです。もし投資先が倒産してしまったら、株券は資産価値がなくなり紙くずとなります。絶対に会社が倒産しないということはありません。ただし、銘柄選びを慎重に行えば、投資先が倒産してしまうリスクは、かなり減らすことができます。
株初心者はまず株式投資にかかる税金について知ろう
株式投資を考える初心者さんにおすすめのお金の本
<FPおすすめのお金の知識が増える本>
・お金のプロ推薦!「お金の知識が増える本&情報紙ベスト4」
┗ ウォール街の金融マンも学んでいる お金持ちになる心理学(日本実業出版社)
┗ 日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由(河出書房新社)
ほか
・20代必読!若いうちから身につけたい簡単「お金」の教養本3選
┗ 知らないと損する 池上 彰のお金の学校(朝日新書)
┗ アメリカの中学生はみな学んでいる 「おカネと投資」の教科書(朝日新聞出版)
┗ マネーという名の犬 12歳からの「お金」入門(飛鳥新社)
1000万円でできるおすすめの投資は?
資産運用のメリットとリスクを徹底解説!
IMAGE PHOTO
INDEX
低リスク・高コスパの資産運用
株やFXは短期間で大きく資産価値が変動するため、細かく管理する労力(コスト)がかかります。
家賃は景気による大幅な増減はしないため、不動産は、手間をかけずに長期の安定したリターンが望める投資先です。
1000万円を投資!資産運用10選
IMAGE PHOTO
不動産投資
メリット | デメリット |
---|---|
・毎月入居者から家賃収入を得られる ・ローンを活用すると生命保険効果が得られる ・税金の節約につながる ・ワンルームなら少額でも始めやすい | ・空室や家賃下落のリスクがある ・種類によっては初期投資にまとまった資金が必要になるケースがある ・土地や建物の価値が下落するリスクがある ・災害によって破損する恐れがある |
メリット | デメリット |
---|---|
・少額で始められる ・複数の不動産に投資してリスクを分散できる ・上場リートなら売買しやすい | ・不動産そのものを所有できない ・投資先の会社が倒産するリスクがある ・上場を廃止すると価値が下落する |
不動産私募ファンド
メリット | デメリット |
---|---|
・REIT(公募ファンド)に比べて高いリターンが期待できる ・運用の自由度が高いケースが多い | ・専門的な知識を必要とする場合が多い ・多額の初期費用を求められる |
ロボアドバイザー
メリット | デメリット |
---|---|
・投資の知識がなくとも始められる ・一任型の場合、売買のタイミングを見極める手間が省ける ・客観的な判断が可能 | ・元本割れのリスクがある ・手数料が発生するケースが多い ・経験と知識を蓄積できない |
メリット | デメリット |
---|---|
・運用のプロに任せるため、専門的な知識が不要 ・リスクを分散しやすい | ・売買や管理のための手数料が発生する ・リアルタイムな取引が困難 |
ヘッジファンド
メリット | デメリット |
---|---|
・投資できる対象が限定される ・比較的自由な運用が可能 ・投資信託に比べて利回りが高い | ・多額の資金を要するケースが多い ・元本割れのリスクがある |
メリット | デメリット |
---|---|
・普通預金より金利が高い傾向がある ・外国の高い金利が利益になる場合がある | ・為替変動で元本が割れるリスクがある ・取引の際に手数料が発生する |
メリット | デメリット |
---|---|
・好きなタイミングで売買できる ・売買差益のほか、企業から配当金が出る場合もある ・株主優待がある | ・専門的な知識が必要 ・業績悪化や倒産が理由で価値が大幅に下落するリスクがある |
メリット | デメリット |
---|---|
・短期間でハイリターンが実現できるケースがある ・日本円以外の通貨でも購入できる ・利息を得られる場合がある | ・他の方法に比べてリスクが高い ・強制的な売却により損失が生じるリスクがある |
メリット | デメリット |
---|---|
・24時間いつでも売買できる ・さまざまな仮想通貨に分散投資が可能 | ・売買にはインターネット環境が必要 ・税率が高額な傾向にある ・価格変動が激しい |
おすすめできない資産運用は?
ローリスクでスタートする不動産投資
株やFXと比べ不動産投資は”老後に備えたい方”や”中長期的な運用をしたい方”向けの初心者におすすめなローリスク&ロングリターンな資産運用です。
資産運用をするメリット
IMAGE PHOTO
コロナ禍の“カネ余り”
マネーの最前線で何が?
ベアリングス・インヴェストメント クリストファー・スマート代表
「アルケゴスショックの教訓は、すべてが順調で、市場に流動性があるときでも株価が急落する可能性を見逃してはならないということです。順調なタイミングでこそ、厳格なチェックを行う必要があります。市場が熱狂の時期になる傾向があるからです。規制当局が厳格に行動し、投資家自身も誠実な行動を取っているか、数字上で確認し、目を凝らす必要があるのです」
コロナ禍の"カネ余り" ファミリーオフィスと投資銀行
井上:ファミリーオフィス、日米の金融機関の経営に詳しい、沼田優子さんと考えていきます。沼田さん、よろしくお願いします。
保里:沼田さん、富裕層の資産管理を専属で行うというファミリーオフィスですが、改めてどんなものなのでしょうか。
沼田さん:もともとは、これは代々続くお金持ちの資産を守ったり、継承したりするというものです。ただ、過去20年、様相が変わってきています。まず、ファミリーオフィスの数は増えています。これは富裕層のタイプが変わったからだと考えています。といいますのは、米国版の長者番付というのがあるのですが、上位400人を見てみると7割がセルフ・メイド(自分の代で財をなした富裕層)と言われています。なので、相続した資産を継承する従来型のファミリーオフィスに対して、自分の代で資産を築いた方々の資産を守るファミリーオフィスが出てきているということです。
保里:その特徴としては、どんなことが言えますか。
沼田さん:守る一方ではなくなっていると言っていいのではないかと思います。なので、現役の経営者層がいらっしゃるという場合も多いので、資産は守るだけではなくて増やすということもありますし、社会的な活動に積極的に使う。そのためにファミリーオフィスを使っているというのもあると思います。
保里:攻めの姿勢でもあるわけですね。
井上:その変容ですが、投資銀行についてもお伺いしたいのですが、今回ファミリーオフィスとも深い関わりがあるということが明らかになりました。
この投資銀行というのは、もともとは有価証券の発行を手伝ったり、売買注文を受けたりして、その手数料をもらうビジネスでした。しかし、近年は自分の資金を使って投資をしたり、お金や有価証券を貸したりするビジネスに移行してきているということです。
沼田さん:ひと言で言えば、投資銀行のビジネスモデルが変わったということではないかと思います。もともとは手数料ビジネスだったのですが、それでは収益が得られなくなりましたので、手数料をもらうかわりに自分のお金を使うビジネスに転じていったということなのではないかと思います。自分のお金を投資する、自分のお金を融通する、ということでやっていきますので、うまくいけばいいのですが、うまくいかなかったときは巨額の損失になるということです。
井上:その点ですが、ファミリーオフィスというのは情報開示義務がないということで、そこにリスクがあるわけじゃないですか。そこになぜ、投資銀行はそれを承知で投資をするわけなのでしょうか。
沼田さん:手数料だけのビジネスは立ち行かないと。これは、われわれはプレーンバニラというふうに言うのですが、シンプルな取り引きだけだと収益が出ないので、手数料と自己資本を使ったようなビジネスというのをパッケージにしていく。そのようなビジネスをやってくれるのがファミリーオフィスだったり、ヘッジファンドだったりというところなんだと思います。
井上:投資銀行は、ほかのところがどういうことをやっているか分からないわけですよね。
沼田さん:もちろん個別にはリスク管理はしますが、ファミリーオフィスの場合は開示義務がありませんので、全体で何が起きていたのかが分からなかったというところなんです。
井上:それが巨額損失につながったということなんですね。
保里:なかなか透明性がなくて、巨額の損失というところでいうと、リーマンショックを想起してしまうところがあるのですが、そうしたおそれもあるのでしょうか。
沼田さん:アルケゴスの件に関しては、これは連鎖反応はなかったと考えていいのではないかと思います。実際、損失を被らなかった投資銀行もあります。
保里:こうした中で、例えばアメリカが何らかの規制をかけていく。そうした見方もありますか。
沼田さん:バイデン政権はトランプ政権に比べると、ウォール街に対して規制をしたいということが言われています。けれども、ただ規制というのはブレーキにもなりかねません。特に経済回復をしたいときになりますと、ブレーキをいつ踏むかというのは難しいのではないかと思います。
保里:そうすると、直近でやるということは考えにくいということでしょうか。
沼田さん:優先課題は、ほかにもあるというとこではないでしょうか。
井上:さて、この現在の大規模な金融緩和ですが、焦点は、これがいつまで続くかというところです。注目するのは、アメリカの動きになります。
17日の未明まで開かれていた金融政策を決める会合では、FRBのパウエル議長が量的緩和の規模を縮小する対応について、今後の会合で具体的な議論に入る方針を明らかにしました。
こうなってくると、マネーの流れが変わるのか。どう変わるのかというところなのですが、投資家たちは今後の見通しについて揺れています。
"カネ余り"と個人投資家 金融緩和いつまで?今後は?
伊豆川太一さん
「今、私が持っているコイン(暗号資産)の日本円換算の価値といった形で」
伊豆川太一さん
「コロナで経済が回らないとか、不況になっている時ほど挑戦というか、何かほかのものに手を出したりとか、今はそういう時なのかなと感じる」
伊豆川太一さん
「ポジティブに、実際まだ始めて3か月といったところなので、投資することはリスクがつきものだと思って、ある程度覚悟は持って始めたので、あまり動揺していないのと、長期的に見たい」
神野研さん
「今まで感じたことのない資金が来たなとは思いましたね。めちゃくちゃ勝ちやすかったと思います。パンって上がったものを買えば、わりと続いて上がることが多かったので」
神野研さん
「ことしは全然勝てないというか、大きな流れが去年に比べてなくなったので」
村上直樹さん
「ダメな時は、すっと引くというのは今の流れなんかなと思うんよね」
神野研さん
「コロナ後みたいな感じで、好調に上がっていく相場じゃなくなるんじゃないかなと。かなり難しい相場になっていくと思います」
野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん
「FRBアメリカ中央銀行の金融緩和は、相当突出していたと思います。金融市場が若干調整することがあっても、必要な正常化策を進めていけるかどうか。ここが重要になってくる。それがうまくいくのであれば、小さな調整で終わるかもしれません。でもそれをしなければ、どこかでやっぱり積み上がったものが崩れてしまうという形での大きな金融危機につながる可能性というのはあるんだと思います」
今後のマネーの動きと変化に対する心構え
保里:今回のカネ余り。実は、私たちの年金運用などにも恩恵があったということです。公的年金は、2019年度末から、運用益が28兆円増加。そして企業年金は、プラス13.3%の運用利回りでした。
沼田さん:その通りです。年金というのは皆さんにとって自分事ですので、そういう意味では2020年は誰もが恩恵を受けたといっていいのではないかと思います。
井上:改めてですが、今後マネーの動きがどう変わっていくのかということなのですが、大きくは2つのシナリオが考えられます。
エコノミストの木内さんは、緩和の縮小がスムーズに行って小さな調整で終わって、そうすると実体経済の回復とともに成長軌道に乗れるという左側のソフトランディング。そして右側は、緩和縮小がうまくいかず、ひずみがたまって大きな調整が起きるハードランディング。
沼田さん:木内さんがおっしゃるように、やはり株価上昇というのはいつまでも続くわけではないというところなのではないかと思います。先ほど規制のお話をしましたけど、これは相当、防波堤にはなっていると思いますが、そうは言っても制度疲労も起きるかもしれないというところではないでしょうか。また、先ほど木内さんがおっしゃっていたとおり、金融緩和というのはどう着地させるかというのがかなり難しいのではないかと思います。となりますと、やはり規制、それから緩和。両方の調整というところの手腕が、これから当局というのは問われるのではないでしょうか。
井上:やはり、リスクマネー、抜け道がどうしてもまた皆さん考え出すようになってくると、規制の強化だけに頼らない、例えば金融当局、こういったどういう役割が出てくると思いますか。
沼田さん:当局としては、ソフトランディングできるようにというところなのでしょうけど、それだけに頼らず、われわれも何も起こらないというのではなくて、備えをしておくというのが必要なのではないでしょうか。
井上:これは待てば待つほど、大きな調整が後にやってくるということですよね。
沼田さん:そうだと思います。なので、早目に備えておいていいのではないでしょうか。
保里:そういう意味では、この動きに対して私たちは、一体どういった心構えで見ていけばいいのでしょうか。
沼田さん:心構えというところでは、米国政府が1つ提唱していることがあります。これは、金融の健全な状態を維持するということです。とすれば、私たちの健康管理と金融の健康管理、実は同じなのではないでしょうか。ポイントとしては2つあると思っています。
1つは、コントロールできることとできないこと。これを切り分けて、コントロールできることはなるべくしっかりコントロールしていくと。コントロールできることが増えれば、それだけ安心も増えていくというところなのではないかと思います。
保里:なかなか不透明な時代だからこそ、透明なものを増やしていくということですね。
沼田さん:その通りです。ただその一方で、やはりショックは来るかもしれないというふうに心構えをしておくことは重要なのだと思います。余裕があるときにバッファを作っておくというだけでも、だいぶ違うのではないでしょうか。
保里:リスクヘッジという意味では、どんなことを具体的にはできそうでしょうか。
沼田さん:伸びしろというのは大変なことになってしまったらもう作れないので、余裕があるときに伸びしろを蓄えておくというところになるのでしょうか。
井上:また今後ですけれども、今後の焦点は、必要な正常化策、どう進めていけるかということになってくると思うのですが、どういったところがポイントになってくると思いますか。
沼田さん:ポイントとしましては、誰もが株式市場に頼らないで、自分事として考えるということになるのではないでしょうか。
保里:今回改めてそう感じましたけれど、そのリスクヘッジという意味でも資産もそうですし、さまざまなリスクヘッジがありますね。
沼田さん:そういう意味では、資産分散というのもあるのですが、時間分散というのもあるのではないでしょうか。というのは、株式市場がいいときだけ投資するのではなくて、悪いときも持続的に投資するというところだと思います。
井上:不透明な時代ですけれども、今後、マネーの行方というのも注視していきたいと思います。沼田さん、きょうは本当にありがとうございました。
コメント